電子竹林:Blog(アーカイブ)

電子竹林:Blogの2019/1/20までのアーカイブです、最新のものは→ https://zom-1.hatenablog.com

「Dr.パルナサスの鏡」- Imaginarium of Doctor Parnassus -

テリー・ギリアム監督、チェールズ・マッケオン脚本。英国ロンドン、パルナサス博士(クリストファー・プラマー)、その娘ヴァレンティナ(リリー・コール)、アントン(アンドリュー・ガーフィールド)、パーシー(ヴォーン・トロイヤー )の旅芸人一座の出し物は人の欲望を形にして見せるイマジナリウム、摩訶不思議な迷宮を人々に見せる。1000歳になるパルナサス博士は、娘が16歳になった時に悪魔に差し出す約束をしていた。ヴァレンティナ16歳の誕生日の三日前、記憶喪失の青年トニー(ヒース・レジャー)を助けるが…。ヒース・レジャーの急死により完成が危ぶまれていたが、ジョニー・デップジュード・ロウコリン・ファレルを加えた四人一役という力技によって完成させた作品。ギリアムの映画製作は伝説的なほどにトラブル続きだけど、今回は上手くリカバーしたと思う。結果的にはギリアムな幻想世界を上手く作り上げ、四人一役というのも逆に効果を上げている(宣伝的な効果の方が大きいだろうけど)。不思議な世界観だけど寓話として上手くまとまっている。ギリアム作品の中でもかなり好きな方。
http://www.parnassus.jp/

「食堂かたつむり」

富永まい監督、小川糸原作、高井浩子脚本。同棲中のインド人の恋人が突然、荷物ごと消え去ったショックで声を失った倫子(柴咲コウ)。倫子は母ルリコ(余貴美子)が住む田舎へ戻り、一日一組限定の「食堂かたつむり」を始める…。原作(id:zom-1:20090402#p1)の文体の優しさは、オシャレで暖かい映像で上手く表現されている様に思える。自分としては原作で全然美味しそうに感じられなかった料理が、映像的にはそれなりに上手く表現されていたのは良かった。それでも全体では、イマイチ平凡な印象。この監督、実は観るのはこれが初めて。映画的には面白いものでも、フードスタイリスト飯島奈美などの料理を表に出した映画が続きすぎているのでちょっと評価が低くなるかも。多くの役者の中で江波杏子はやっぱり存在感ある。
http://katatsumuri-movie.jp/