電子竹林:Blog(アーカイブ)

電子竹林:Blogの2019/1/20までのアーカイブです、最新のものは→ https://zom-1.hatenablog.com

2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「銀河鉄道の夜」

秋原正俊監督、宮沢賢治原作。高校1年生のジョパンニ(谷村美月)の元に小学校のクラス会の招待状が届く。いじめられていたクラス会への参加は気が引けたが、唯一の友達であったカムパネラ(市川男寅)に会いたかった。土手でうとうとしていると、そこは銀河鉄道…

「めぐみ〜引き裂かれた家族の30年」」- Abduction : The Megumi Yokota Story -

クリス・シェリダン&パティ・キム監督、ジェーン・カンピオン製作。1977年11月15日、新潟の中学生・横田めぐみが下校途中に突然姿を消す。やがて両親の横田滋、早紀江も公開捜査に参加するが…。北朝鮮による拉致事件のドキュメンタリー。日本人はよく知って…

「ありがとう」

万田邦敏監督、平山讓原作。1995年1月17日阪神淡路大震災発生、三日三晩も燃え続け鷹取商店街は995棟が全焼、105名が命を落とした。カメラ店を営む古市忠夫(赤井英和)はその中で消防団員として働くが、奇跡的に無傷で残った自分のゴルフバックを見つける。や…

「アジアンタムブルー〜adiantum blue」

藤田明ニ監督、大崎善生原作。SM雑誌編集者の山崎隆二(阿部寛)が仕事で出会った続木葉子(松下奈緒)は、水たまりばかりを撮り続ける透明感がある写真が得意なカメラマンだった。二人は偶然に再会し、やがてひかれ合う様になるが…。不治の病の恋愛物語にニース…

「2000年間で最大の発明は何か?」

ジョン・ブロックマン。著者による「第三の文化」メーリングリストの活動公開サイトEdge(http://www.edge.org/)による質問の、第一線の科学者思想家たちからの答えをまとめたモノ。回答者の顔ぶれが凄い。遊び的要素も強く2000年という枠から外れているの…

「フラット化する世界」上下

- The World is Flat:A Brief History of the Twenty-First Century -Thomas L.Friedman トーマス・フリードマン。アルビン・トフラー「富の未来」などの未来視点に比べれば、現在の事を並べているだけの感じもするが、俯瞰した視点は面白いし、納得も出来る…

「トゥモロー・ワールド」- Children of Men -

アルフォンソ・キュアロン監督脚本(「…アズガバンの囚人」)、P.D.ジェイムズ原作「人類の子供たち」、エマニュエル・ルベッキ撮影。人類に子供が誕生しなくなってから18年たった2027年のロンドン、エネルギー省官僚のセオ(クライヴ・オーウェン)はジュリアン…

「パラレル・ニッポン 現代日本建築展 1996-2006」

東京写真美術館。過去10年に竣工した代表的な建築112作品を写真で展示。写真でどこまで建築を表現出来るかというと、限界がある。奇麗に写りすぎているもの、実物じゃないと感覚が分からないものなど。西沢立衛「ウィークエンドハウス」、藤森照信「高過庵」…

「写真新世紀 東京展2006」

東京写真美術館。2005年グランプリ小澤亜希子「バブ」は面白いが、一発アイデア的な印象。高木こずえ「insider」はアイデア的には古くから有るが丁寧に丁寧に作られ完成度が高く素晴らしい。佳作の宇津裕美子「小部屋からめくるめく」、柳本奈都子「so-so-se…

「コラージュとフォトモンタージュ展」

東京写真美術館。写真がコラージュにどの様に利用され、表現されてきたか。黎明期のコラージュによる表現、ダダイズム/シュルレアリスム/構成主義などの20世紀初頭の前衛美術、現代美術における表現など。ラチチュードの狭さにより波と空を合成した「海景」…

「現代リアル学 SFC Open Research Forum 2006」

去年(id:zom-1:20051123#p1)の六本木ヒルズとは代わって、今回は丸ビルなど。展示のレベルはまあ、同じで面白いモノ、イマイチなモノ半々な印象。昭和電気会社説明会が観られなくて残念。iLog Houseは、ORF 2006終了後もTOKIAで11月29日まで展示。 http://or…

「プラダを着た悪魔」- The Devil Wears Prada -

デヴィッド・フランケル監督、ローレン・ワイズバーガー原作(ヴォーグ誌編集長アナ・ウィンターの元アシスタント)。ジャーナリスト志望アンディ(アン・ハサウェイ)のNYでの就職先は一流のファッション誌「RUNWAY」、カリスマ編集長ミランダ・プリーストリー(…

「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」

金子文紀監督、宮藤官九郎脚本。ぶっさん(岡田准一)が死んで3年、マスター(佐藤隆太)は大阪で"野球狂の詩2号店"を開き、アニ(塚本高史)はIT関係と称して秋葉原をブラブラ。バンビ(櫻井翔)だけが木更津に残り市役所に努めるが、ショッピングセンターの予定地…

「ウィンター・ソング」- Perhaps Love/如果・愛-

ピーター・チャン監督。香港の男優、リン/林見東(金城武)はニエ/聶文(ジャッキー・チュン/張學友)が監督するミュージカル映画に出演するため上海にやって来るが、共演者の女優、スン/孫納(ジョウ・シュン/周迅)とリンは10年前の恋人同士だった…。ミュージカ…

「サッド・ムービー」

クォン・ジョングァン監督。消防士のジヌ(チョン・ウソン)と手話アナウンサーのスジョン(イム・スジョン)、その妹の耳の聞こえない少女スウン(シン・ミナ)、ダメ男のハソク(チャ・テヒョン)、フィチャンの母のジュヨン(ヨム・ジュンア)、それぞれの別れの物…

「椿山課長の七日間」

河野圭太監督(「小ぎつねヘレン」)、川口晴脚本、浅田次郎原作。勤務先のデパートで突然死した椿山課長(西田敏行)は、妻と息子(須賀健太)、老人ホームの父親(桂小金治)など心残りばかり。天国と地獄の中間地点・中陰役所で椿山課長は和山椿(伊東美咲)となり…

「キャッチボール屋」

大崎章監督(初監督)。リストラされ故郷に帰った大山タカシ(大森南朋)は高校野球部仲間と飲むうちに、片思いの相手に告白するために東京へ戻る事になるが、目覚めたら公園のベンチ。そこには10分100円のでキャチボール屋(庵野秀明)がいた…。シンプルなアイデ…

「カオス」- Chaos -

トニー・ギグリオ監督脚本。シアトルのグローバル銀行に立て籠った強盗団のローレンツ(ウェズリー・スナイプス)は謹慎中の刑事コナーズ(ジェイスン・ステイサム)を交渉人に指名する。新人刑事デッカー(ライアン・フィリップ)とともに交渉に望むコナーズは、S…

「氷の微笑2」- Basic Instinct 2 -

マイケル・ケイトン=ジョーンズ監督(「メンフィス・ベル」から16年ぶり?)。ロンドン、自動車による死亡事故を起こしたベストセラー犯罪小説家のキャサリン・トラメル(シャロン・ストーン)は以前、サンフランシスコにおける殺人事件容疑者だった。ロイ刑事は…

「流星ワゴン」

重松清。暴力をふるう息子、テレクラ遊びをする妻、リストラ寸前の自分、死を漠然と考えていた永田一雄。その前に止まった一台のワゴン車に乗る橋本義明・健太親子は永田を過去へといざなう…。タイムスリップ的でありながら、それが過去を変えるのではなく現…

「父親たちの星条旗」- Flags of Our Fathers -

クリント・イーストウッド監督、スティーブン・スピルバーグ製作、ポール・ハギス脚本。1945年2月23日、硫黄島の山頂で星条旗を揚げた6人の兵士の写真は米国を熱狂させた。そのうち3人、ジョン・"ドク" ・ブラッドリー(ライアン・フィリップ)、アイラ(アダム…

「ナチョ・リブレ 覆面の神様」

ジャレッド・ヘス監督(メジャー初監督、「バス男」)。愛称ナチョ(ジャック・ブラック)は修道院の料理番だが、貧しさのためにまともな食材も買えない毎日。新しいシスター・エンカルナシオン(アナ・デ・ラ・レグエラ)に一目惚れしたナチョはやる気を見せるが…

「トンマッコルへようこそ」

パク・クァンヒョン監督、チャン・ジン製作脚本原案。1950年朝鮮戦争、仁川上陸作戦により連合軍の反攻が進む中、山奥の村トンマッコルは戦争と無縁の平和な生活を送っていた。そこへ偵察機の米軍パイロットのスミス、村の少女ヨイル(カン・ヘジョン、「オー…

「手紙」

生野慈朗監督、東野圭吾原作。武島直貴(山田孝之)は罪を犯した兄の剛志(玉山鉄二)のせいで引っ越しと転職を繰り返し、今は川崎のリサイクル工場で人と離れて暮らす日々。そんな直貴を陰から見つめ食堂で働く由美子(沢尻エリカ)がいた…。かなりかなり地味だ…

「7月24日通りのクリスマス」

村上正典監督、金子ありさ脚本、吉田修一原作「7月24日通り」。地味で彼氏無し、市役所努めの本田サユリ(中谷美紀)は長崎をリスボンに見立てる妄想で日々の平凡な暮らしをやり過ごしていた。クリスマスの一月前、長年憧れていた演劇部の先輩・奥田聡史(大沢…

「原発ジプシー」

堀江邦夫。原発の下請労働者として美浜、福島、敦賀原発で働いた著者による、原発内労働者の驚くべき実態、告発ルポルタージュ。「私の牛がハンバーガーになるまで」(id:zom-1:20060925#p1)の書評で、体験型ルポの中ではこの本を凄く誉めていたので読んでみ…

「ケッヘル」

中山可穂。ドーヴァー海峡の海岸の街カレー、過去から逃げ続けている伽椰は海に向かって指揮をするモーツァルトの音楽に取り憑かれた男と出会う…。「ピアノの森」からの連想で恋愛モノなのかと読み始める。しかし、まるで違った、時間も交錯し物語は意外な方…

「イノベーションのジレンマ〜技術革新が巨大企業を滅ぼすとき」

クレイトン・クリステンセン。顧客の声に耳を傾けるが故に駄目になる優良企業のジレンマに焦点を当てている。いわゆる、持続的技術に対する破壊的技術。破壊的イノベーションに適した組織は独立組織のスピンオフ型である事や、破壊的技術の原則(企業は顧客と…

「ビタミンF」

重松清。「その日のまえに」(id:zom-1:20061009#p2)がよかったので、続けて重松清の直木賞受賞作を読んでみる。いじめの「セッちゃん」、ちょっとハードボイルドな「ゲンコツ」など7作。40歳前ぐらいを気持ちの描き方は面白いのだが、ちょっと地味な感じ。 h…

「インドの時代〜豊かさと苦悩の幕開け」

中島岳志。ほとんど知識が無かった今のインドについての新鮮な話ばかり。特に経済成長下でのヒンドゥー・ナショナリズムの話は面白い。伝統的共同体から引き離されアイデンティティ・クライシスに直面する人々に提示されるヒンドゥー・ラーシュトラ(ヒンド…