「数学的にありえない」上下 - Improbable - Adam Fawer
アダム・ファウアー(処女作)。天才的計算能力を持つデイヴィット・ケインは癲癇発作と神経失調のおかげで統計学講師の職を失い場末のギャンブラーの生活を送る。北朝鮮に情報を売り渡そうとするCIA工作員ナヴァ・ヴァナー、謎の研究を続けるドクター・トヴァスキーとケインの運命が交錯する…。第一回世界スリラー作家クラブ新人賞…だがミステリー性は低くほとんどSF的。数学的才能を活かして窮地を脱するのかと思いきや奇想天外な才能を開花させていく…「マトリックス」みたいな次元で、そりゃ助かるだろう。映画を意識したジェットコースターな展開だが、イマイチ軽過ぎる印象。統計学も知っている範囲の雑学程度。
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「神様」
川上弘美。ちょっと日本的でファンタジックな9篇の短編集、「神様」「夏休み」「花野」「河童玉」「クリスマス」「星の光は昔の光」「春立つ」「離さない」「草上の昼食」。言葉を話す熊や人魚や河童がごく自然に登場して、人間と関わっている暮らしの面白さがちょっと楽しい。
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