電子竹林:Blog(アーカイブ)

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「誰も守ってくれない」

君塚良一監督脚本。平凡な家庭の未成年の長男が小学生姉妹殺人事件の容疑で逮捕される。容疑者家族の保護にあたった東豊島署の刑事、勝浦(佐藤浩市)と三島(松田龍平)は、15歳の沙織(志田未来)を保護することになるが…。この監督、「バブルへGO!!」(id:zom-1:20070210#p3)の脚本はいいとしても、監督脚本をやった「容疑者 室井慎次」(id:zom-1:20050909#p1)、「MAKOTO」(id:zom-1:20050302#p1)はヒドイ出来だったので、第32回モントリオール世界映画祭最優秀脚本賞という評判の高さが信じられなかったのだけど…、結果かなり面白かった。鮮やかなで美しいオープニングの描き方から、容疑者家族保護マニュアルに従った畳み掛けたスピード感の上手さには驚いたけど、その後の展開もいい。容疑者家族、それを保護する刑事の家族、別の事件の被害者家族と、複雑だが素晴らしく巧みな物語の構造。暴力的なマスコミ、正義感ぶるネットの書き込みというポイントも効いている。志田未来の幼いが強い視線は「野生の証明」の薬師丸ひろ子を思い出させた。
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