電子竹林:Blog(アーカイブ)

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「グラン・トリノ」- Gran Torino -

クリント・イーストウッド監督製作主演。妻を亡くしたばかりの、元フォード自動車工で朝鮮戦争の英雄のウォルト・コワルスキー(クリント・イーストウッド)。その隣に越して来たモン族一家の少年タオ(ビー・ヴァン)は、従兄弟スパイダーたちギャングの命令で、ウォルトの愛車1972年型グラン・トリノを盗みに入るが…。笑いあり、涙あり、社会性あり、スタンダードではあるが巧みな映画の作りに脱帽。ディティールには粗い部分もあるがそんなのも気にならない。物語の構造は1992年「許されざる者」を連想するが、個人的にはこちらの方がずっと好き。ウォルトの偏屈頑固オヤジぶりがいい。朝鮮戦争ベトナム戦争、自動車、移民と上手く米国を表現しつつ、一人の男の人生の終わりに重ねて見せる。「許されざる者」が"最後の西部劇"なら、この映画は"最後の米国映画"かもしれないな。こういう日本映画を観てみたい。
http://www.grantorino.jp/