電子竹林:Blog(アーカイブ)

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「わが母の記」

原田眞人監督脚本、井上靖原作。1959年、小説家の伊上洪作(役所広司)は病気の父(三國連太郎)、母・八重(樹木希林)の伊豆湯ヶ島の家へ戻っていた。洪作は幼い頃に台湾に渡った一家とは別に親戚に育てられた事から、いまだに母に確執を持っていた。東京の自宅では家族が検印作業に大わらわだったが、三女の琴子(宮崎あおい)だけは反抗していた…。井上靖は結構読んでいるつもりだったけど、この原作は未読。わずかな表情や手の動きだけの、繊細な表現で素晴らしい空気感を作っている。それぞれの役者と演出の技術の高さに驚かされる。地味だけど素晴らしくいい映画。色々な映画祭で評価されるのも当然か。芦澤明子のカメラが作り上げる、表情豊かな光も気持ちいい。
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