電子竹林:Blog(アーカイブ)

電子竹林:Blogの2019/1/20までのアーカイブです、最新のものは→ https://zom-1.hatenablog.com

1998-05-02から1日間の記事一覧

「ブレイブ」

グレゴリー・マクドナルド 新潮社文庫。ジョニー・デップが監督、主演で映画化した「ブレイブ」の原作。映画自体は詰らなく、どうも映画から受ける印象がヘンに感じたので、そのズレを埋めようと原作を読む。基本的にストーリ展開は原作と同じであるが、根本…

「天使に見捨てられた夜」☆

桐野夏生 講談社文庫。「OUT」「顔に降りかかる雨」の桐野夏生。刊行は1994年だから、それほど新しくは無い。「顔に降りかかる雨」の続編にあたる、村野ミロのシリーズの二作目。しかし、桐野夏生の小説は面白い。凄い力だと思う。ポルノビデオの出演者の捜…

「プログラミングの壺II人間編」

Programming On Purpose: Essay On Software People,P.J.Plauger。P.J.プローガ共立出版ホワイトスミス社の社長で、カーニハンとの共著で「プログラム書法」「ソフトウェア作法」がある、昔のプログラマから見るとカリスマ的存在のプローガの著書。前作「プ…

「まだ科学が解けない疑問」☆

ジュリア・ライ、ダヴィッド・サヴォルド編 昌文社。1991年で日本の発刊。だから、話題としては'80年代の科学の話だとは思うけど、ほとんどは現代でも通じると思う。著者ジュリア・ライは「サイエンス」の元編集委員。もともと、アメリカ科学振興協会から違…

「鯉沼家の悲劇」本格推理マガジン

鮎川哲也編 光文社文庫。小説の単独の内容以上に、非常に複雑、マニアックにミステリーファンには面白い内容。さすがに、鮎川哲也はひねくれた構成をするなと感心した。なかの横溝正史の中編「病院横町の首縊りの家」の前後二回の予定だが、前40〜50枚で筆を…

「バンコック電脳地獄マーケット」

クーロン黒沢 徳間文庫。「香港電脳オタクマーケット」に続いて、今度はバンコクを中心にした、アンダーグラウンドな話題の数々。死体博物館、犯罪博物館、死体雑誌のグロもの、ゴーゴーバー、ホモ関係のエロもの、海賊ゲーム系などなど。相変わらず眩暈がす…

「生と死の幻想」

鈴木光司 幻冬舎文庫。「リング」「らせん」で大ブレイクして、「ループ」もヒットさせる鈴木光司の短編集。と言っても、この本自体は、1995年11月刊行だから結構古い。「紙おむつとレーサーレプリカ」「乱れる呼吸」「キー・ウェスト」「闇の向こう」「抱擁…

「完全失踪マニュアル」

樫村政則 太田出版。元探偵の著者が経験から明かす、失踪の方法について。期間を一カ月、数カ月、数年、永久失踪と分けているのが便利(^^;)。手荷物、愛読していた新聞雑誌は避ける、履歴書の書き方など具体的な方法論も面白いし、多少犯罪的な他人への成り…

「黄昏のロンドンから」☆

木村治美 文春文庫。1976年の本。なんとも古い内容だけど、当時、英国病と言われた社会構造的な問題についてエッセイ的にまとめているので興味があって読み始める。今、「トレイン・スポッティング」「ブラス!」「GONOW」など英国映画はバツグンに面白いし、…

「良いおっぱい悪いおっぱい」

伊藤比呂美 集英社文庫。10年以上前にベストセラーになったし、'90年にはアルゴプロジェクトで映画にもなっているのに、今だに読んだ事がなかった。古本屋にあったのでなんとなく読んでみる。当時はこういうリアリティある妊娠、子育てエッセイものが新鮮だ…

「初等ヤクザの犯罪学教室」

浅田次郎 幻冬舎アウトロー文庫。浅田次郎は他に「鉄道員ぽっぽや」しか読んだ事が無いと思う。だから、こーいう人だとは知らなかった。確かに「鉄道員ぽっぽや」のもヤクザ関係の話が多いけど。ヤクザまがいの実体験からの本。著者の過去の事はおいておいて…

「人民は弱し官吏は強し」

星新一 角川文庫。星新一追悼、「エヌ氏の遊園地」に続いての二冊目なので、今度はショートショートではなく、数少ない長編にする。「人民は弱し官吏は強し」は中学の時に読んで、お上のやり方の余りの酷さに涙したものだったけど、今読んでみると、なんとも…