電子竹林:Blog(アーカイブ)

電子竹林:Blogの2019/1/20までのアーカイブです、最新のものは→ https://zom-1.hatenablog.com

「ゴールデンスランバー」

中村義洋監督、 伊坂幸太郎原作。宅配便ドライバーの青柳(堺雅人)は大学時代の友人・森田(吉岡秀隆)に呼び出されるが、金田首相の仙台パレード中に暗殺事件が発生。犯人に仕立てられ現場から逃走する森田だが、その事件を元恋人の晴子(竹内結子)はニュースで知る…。2008年本屋大賞受賞、第21回山本周五郎賞受賞作品の原作(id:zom-1:20090117#p2)はかなり好き。原作は事件発生、視聴者の視点、20年後、逃走と複雑に展開させる構成の面白さがあったが、映画は比較的素直な逃走劇。そこに回想を上手く入れ込み原作の味わいを出し、さらにラストの巧みさで 原作ファンにも納得な仕上がり。ハリウッドなら「エネミー・オブ・アメリカ」なパワーの逃走劇になりそうだけど、人情味がある浪花節、どこかファンタジーの様な逃走なのが邦画的で面白い。ビートルズの楽曲を使ってないのは残念だが、それだけで予算が吹っ飛びそうだからしょうがないか。キルオ役の濱田岳がなかなか良かった、この人は見た目と違ってかなり器用だ。「アヒルと鴨のコインロッカー」(id:zom-1:20070627#p1)、「フィッシュストーリー」(id:zom-1:20090411#p1)と三作連続で中村義洋+伊坂幸太郎は成功している。これは奇跡的。
http://www.golden-slumber.jp/

「ポスト資本主義社会-21世紀の組織と人間はどう変わるか」

P.F.ドラッカーリーマン・ショック以降にポスト資本主義的な社会像を考える様になったが、1993年にこんな本が出ていたとは。有名な本なのに今まで読んで無かったとは残念。思い描く様な事はすべてこの本で語られている。新しい「社会」が非社会主義社会でありポスト資本主義社会である事は確か、知識は資本と労働をさしおいて最大の生産要素となる、など今考えると当たり前の事だが、20年近く前にこの洞察の深さは驚くべき事だ。年金基金資本主義の危険性についても、まさしく予言と思える。(memo:1270年ベーコンによる老眼鏡、1290年には法王庁、1300年カイロ、1310年にはモンゴルで使われた)(memo:1700年、英国にはクラフト(技能)という言葉はなくミステリー(秘伝)が使われた)(memo:二つの大戦が国民国家を租税国家に変えた、第一次大戦前は国民所得の5〜6%)(memo:部族主義はグローバリズムの核)
http://www.amazon.co.jp/dp/4478371024

「運のいい人、悪い人-運を鍛える四つの法則」- The Luck Factor - Richard Wiseman

リチャード・ワイズマン。"運"というものを科学的に考えようとした心理学者の著者による、運のよい人、悪い人の思考体系と体験の分析。発端は科学的にしても結論的には自己啓発本の様な内容。4つの法則とは1)チャンスを最大限に広げる、2)虫の知らせを聞き逃さない、3)幸運を期待する、4)不幸を幸運に変える。具体的なレッスンがあるのが面白い。(科学+運というと「リング・ワールド」の好運の遺伝子ティーラ・ブラウンを思い出す)
http://www.amazon.co.jp/dp/4047914592

「凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールスノート」

佐藤昌弘。どっかで褒めていたから読んでみたのだけど、そもそもなんで読もうと思ったのか忘れた。セールストークの基本を書いてあり、セールスマンに特化しているので他の職業だとあんまり参考にならないかも。オープニング、展開、クロージングという方式や、相手のパーソナリティを読むのはコーチングに似ている。例が住宅関係、保険関係ばかりなのがうさんくさい。
http://www.amazon.co.jp/dp/4534039220