電子竹林:Blog(アーカイブ)

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「ループ」

鈴木光司 角川書店。映画の「リング」「らせん」を観て、原作は遥か昔に読んでいるけど、細部を忘れているので原作を読み返して、勢いで「ループ」まで行った。一日で読み終わった。読物としてはある程度は面白い。意外な展開、面白いストーリではあるのだけど、前二作の謎が氷解する様な話では無く、ちょっと不満足。ま、面白かったからいいか。話が壮大に成った分、怖さはまったくない。設定が、流行り好きの鈴木光司らしい。複雑系サンタフェ研究所、ライフ・ゲーム、インディアン文化などなど、ここ数年の流行を取り入れている。相変わらず参考文献リストも面白い。しかし、あの程度のコンピュータでループの様なスケールのシステム出来る訳ないじゃないか(^^;)。三作を振り返ってみると、「リング」では純粋にモダン・ホラー路線、「らせん」では流行のバイオものを取り入れたバイオ・ホラー、「ループ」では流行の複雑系や人工生命を扱ったSFホラーという印象。