電子竹林:Blog(アーカイブ)

電子竹林:Blogの2019/1/20までのアーカイブです、最新のものは→ https://zom-1.hatenablog.com

「イスラームとは何か その宗教・社会・文化」

小林泰 講談社現代新書イスラームについて非常によくまとまっていて面白い。イスラームの登場した時代、イスラーム国家の成立、アラビア半島の統一、啓示宗教の成り立ち方、宗教共同体、共同体と町並、ハディース(予言者言行録)、ムハンマドのあとの時代、ムハンマドのあとの分裂、ムハマドの後継者、シーア派スンナ派などなど。成り立ちから簡単な歴史、また現行世界とイスラーム、アイディンティティの分裂、イスラーム復興について、近代化と世俗化の中でのムスリム社会、あたらしいムスリム社会の模索など、現在の問題まで広く、判りやすく説明していて面白い。日本では、基本的なイスラームの知識も伝えられてないのが判る。例えば、名称からして昔伝わった間違ったものが一般化して正されていない。イスラム教はイスラーム(イスラム自体に教の意味があるので、イスラム教は正しい言い方では無いらしい)、メッカはマッカ、モハメッドはムハマンド、コーランクルアーンが正しいらしい。イスラーム自体が本来は政教一元的性格を持つというのも、全体を理解する上でなるほどと思った。