電子竹林:Blog(アーカイブ)

電子竹林:Blogの2019/1/20までのアーカイブです、最新のものは→ https://zom-1.hatenablog.com

「グリンチ」-The Grinch-

スコット・モシャー監督、ドクター・スース原作「いじわるグリンチのクリスマス」。大人になってひねくれてしまったグリンチ(声:ベネディクト・カンバーバッチ)は山奥の洞窟に愛犬マックスと暮らしていたが、フーの村の大好きなクリスマスを盗むことを思いつく。村ではシンディ・ルー(声:キャメロン・シーリー)がサンタに会いたいと思っていたが…。イルミネーションのCGアニメ。2003年実写版(id:zom-1:20001201#p3)ロン・ハワード監督、ジム・キャリー主演もそれなりに面白かったけど、こっちの方が好きだな。話はシンプルなので子供向きではあるけど、絵は凝っていて動きもいい。スーの村の派手なクリスマス色彩感とデザインがすごくいい。まあ、大人でも楽しめるかな。脇役のブリクルバウムや母親ドナ、トナカイのフレッドなどもいい味だしてた。
http://grinch.jp/

「ONLY SILVER FISH - WATER TANK OF MARY'S ROOM」

西田大輔監督脚本原案。本当の名を呼ぶことで過去を振り返ることができる魚を巡り、黒ネクタイの男(松田凌)、ユキ(皆本麻帆)、白ネクタイの男(玉城裕規)、チョーカーの女(高柳明音)たちがある洋館に集まるが…。舞台の映画版。演出家が’監督で俳優も舞台と同じ(配役は別らしい)。なので、当然のように舞台っぽい。そこに無駄にエフェクトとか入れてるのは映像作品っぽくするためなのか。全体に見にくい上に退屈な演出、というかそもそもこれって物語として成立しているの??って思うんだが、細かい整合性を考えるのもメンドくさい感じ。
http://www.mmj-pro.co.jp/onlysilverfish/

「体操しようよ」

菊地健雄監督。定年を迎えた佐野道太郎(草刈正雄)は妻に先立たれて18年、家事をやっていた娘・弓子(木村文乃)に家事全般を任されてしまう。慣れない生活に戸惑う道太郎だが、神田(きたろう)やのぞみ(和久井映見)のラジオ体操に参加し、やがて神田の便利屋で天文好きの薫(渡辺大知)と一緒に仕事をすることになるが…。このタイトルで草刈正雄主演で人気が出るわけないと思ってが、まあ全体にはまともな映画ではある。エピソードも悪くないし、家族モノ、ヒューマンドラマとしてちゃんと成立している。でもやっぱり地味かなあ。エンディング曲はRCの「体操しようよ」だけど、この曲からインスパイアされたってわけでもないみたい。
http://taiso-movie.com/

「パッドマン 5億人の女性を救った男」-Padman-

R・バールキ監督。ラクシュミ(アクシャイ・クマール)は生理の間に不潔な布を使い家の外に出される妻ガヤトリ(ラーディカー・アープテー)のために安価なナプキンの研究に励むが、村人から誤解され村を離れる事になる。ラクシュミはなんとか製造機の開発に成功し、音楽家パリー(ソーナム・カプール)と出会いビジネスを広げようとするが…。インドなどで生理用品を普及させた実話ベースの話。踊りも歌もほとんどななく地味なインド映画かと思ったが、ヒューマンドラマとしては意外に面白い。最後の英語のスピーチもなかなか感動的で見所になってる。展開も意外性がある。途中でインターミッションが入っていたのでインドではもっと長い上映時間だと思う。インドの古い因習なども分かるのがいいが反発もあるだろうな。実際、クェートとパキスタンでは上映禁止になっている。
http://www.padman.jp/site/

「来る」

中島哲也監督、澤村伊智原作「ぼぎわんが、来る」。会社員の田原秀樹(妻夫木聡)は妻の香奈(黒木華)の妊娠からイクメンのブロクを始めるが、ある時、秀樹の後輩が謎の死を遂げる。2年後、二人の娘・知紗は元気に育つが不可解な事件が続き、秀樹は親友の民俗学者・津田(青木崇高)からライターの野崎(岡田准一)を通じて、キャバ嬢で霊能力者の真琴(小松菜奈)を紹介される。真琴は最高の霊媒師と言われる比嘉琴子(松たか子)の妹であったが…。基本ホラーだけど、中島哲也監督の登場人物それぞれの心の闇の描き方が凄い。早いカットのつなぎのテンポの作り方もいい。原作未読だったので、こーいう展開なのかあとちょっと驚いた。その後、原作を読んだが映画版の方が心の闇が深い。それぞれのキャラも立っている。逢坂セツ子役の柴田理恵もいい味出してた。
http://kuru-movie.jp

「イット・カムズ・アット・ナイト」-It Comes at Night-

トレイ・エドワード・シュルツ監督。夜にやってくる何かと伝染病を恐れ、森の中の一軒家に隠れ住んでいた息子トラヴィス(ケルビン・ハリソン・Jr.)、父ポール(ジョエル・エドガートン)、母サラ(カルメン・イジョゴ)。ある時、侵入してきたウィル(クリストファー・アボット)を捕らえ、その妻キム(ライリー・キーオ)、息子アンドリューの一家と暮らす事になるが…。謎な文明崩壊後の世界でのサバイバルもの。最近、「クワイエット・プレイス」(id:zom-1:20181002#p1)、「死の谷間」(id:zom-1:20180708#p1)など、低予算映画ではミニブームになっているジャンルの感じがする。一発アイデアものではある。その極限状態での心理描写が見どころなんだけど、これもなかなかに上手い。緊張しっぱなしの時間。
https://gaga.ne.jp/itcomesatnight/

「くるみ割り人形と秘密の王国」-The Nutcracker and the Four Realms-

ラッセ・ハルストレム監督。母を亡くしたばかりのクララ・シュタールバウム(マッケンジー・フォイ)は、クリスマスイブに名付け親ドロッセルマイヤー(モーガン・フリーマン)のパーティで秘密の王国に迷い込む。そこは母が作り上げた国であったが、今はシュガー・プラム(キーラ・ナイトレイ)のお菓子の国、花の国、雪の国、第4の国と分裂していた。クララはキャプテン・フィリップ(ジェイデン・フォーラ=ナイト)と共に、マザー・ジンジャー(ヘレン・ミレン)が支配する第四の国へ入るが…。期待は全然してなかったが、これはなかなか良かった。チャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」、その原作のホフマン「くるみ割り人形とねずみの王様」のモチーフであるネズミ、お菓子、雪片などをうまく物語に使い子供にも面白く再構成してある印象。部分的にはアリスやオズやナルニア国のパクリっぽさを感じながらも、所々にディズニーのセルフパロディなトコもあって楽しめる。ミスティ・コープランドの踊りは圧巻の迫力と演出で、多分、バレエファンも楽しめるのではないかな。
https://www.disney.co.jp/movie/kurumiwari.html