「タイ式」
矢崎葉子。タイの若者たちがビジネスで成り上がっていくタイ式ドリームのドキュメント…だと思っていたらかなりシビアな内容。海老養殖のバブルと、その崩壊が詳細に描かれている。稚エビの養殖場=ファーム・グン(グンは蝦)、稚エビ→生体エビの養殖場ナー・グン(ナーは田んぼ)と言い、登場人物はファーム・グンで大もうけを狙う。その現状が凄い。本人たちも知らない薬や抗生物質を多量に入れて病気を防ぐ。その水が手にかかるだけでかゆみがする程の強さ。さらにアッと言う間にマングローブの伐採、環境破壊、水質の汚染が広がる。この海老のほとんどが日本に輸出されていたとは恐ろしい。食問題を考える上で読むにもいい本だった。著者は食問題については無関心みたいだが。
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